就任5年目で甲子園初制覇! 仙台育英・須江航監督“元補欠”ゆえの革命的育成方法
■レギュラー選別基準を可視化
「須江監督が就任後すぐに取り組んだのは『レギュラー選別基準の可視化』です。たとえば右投手なら最低でも135キロ以上(左投手は130キロ以上)、野手は一塁到達タイムの最低目標は3.85秒未満で、スイング速度は最低140キロ以上……と、試合に出るためのあらゆる基準を明確化し、選手に説明した。これをやっている高校は私の知る限りありません。練習試合でも選手のデータを徹底管理する。それによって、選手個々の目標が定まり、努力する方向性が分かるし、メンバーで足の引っ張り合いのない健全な競争が生まれる。仙台育英には全員が納得して、上を目指せる環境が整っているのです」
育成に重点を置き、医者やトレーナーと協力して故障防止にも注力。練習試合の先発は1カ月先まで決めているという。
優勝会見で主将の佐藤悠斗がチームの強みについて、「メンバー外もメンバーに入ってない選手も同じぐらいの実力があって、日本一のチーム内競争があること」と話したが、これには須江監督の高校時代の経験が生きている。