就任5年目で甲子園初制覇! 仙台育英・須江航監督“元補欠”ゆえの革命的育成方法
仙台育英に入学して間もなく控えとなり、2年時に学生コーチとして裏方に回った。19年、日刊ゲンダイのインタビューにこう話している。
「埼玉から野球留学をしたものの、箸にも棒にもかからず、努力しても埋まらない実力差を感じ、学生コーチとして裏方に回るしか生きる道がないと思った。練習や出場機会に関して、レギュラー優先にならないよう、控えの子たちをしっかりケアすることにはすごく気を使います」
■満塁弾の岩崎生弥は地方大会ではベンチ外
甲子園では地方大会から新たにメンバーを選び直した。この日の七回、1死満塁から本塁打を放った岩崎生弥は、地方大会でベンチ外だった。
前出の元永氏が「選手の入れ替えが奏功したのは、須江監督が選手個々を信頼、実力を把握しているからこそ」と言えば、昨年まで同校で学生コーチを務め、今年卒業した守谷帆久人氏は、「ベンチ外の選手にもフォローが手厚い。データなどを示しながら、どこを伸ばすべきで、そのためには何をすればいいのか細かくアドバイスをしてくれました。逆に、レギュラーの選手には、グラウンドの整備や用具の片付けなどを率先してやるように言っていた。選手全員に目を向けてくれる監督でした」と振り返る。
須江監督の革新的な育成方法は、全国津々浦々の強豪校に衝撃を与えたに違いない。