ヤクルト村上宗隆の「洞察力」は守備でもピカイチ! 九回に守護神マクガフの“なだめ役”
「打者を打ち取り、あと1人となってもマクガフはカリカリしていた。村上はこりゃマズいという表情を浮かべ、再びマウンドへ歩み寄り、マクガフをなだめた。これが奏功してか、マクガフは火消しに成功。普段は二塁の山田がなだめ役を買って出ているが、この日は欠場していた。投手の心を敏感に察知する観察力、洞察力は大したものです」
こうした素養は、九州学院高時代から培われていた。恩師である坂井前監督は以前、日刊ゲンダイの取材にこう話した。
「試合中は私の横にきて、味方に声を出し、『ここはきちんと送りましょう』と平気で言ってくる(笑)。『ムネ、おまえが監督みたいやな』と言ったら、アタマをかきながら『へへへ』です。バス移動の時も、運転する私のすぐ後ろに座って会話をした。それで何かを吸収しようとしていたんでしょう」
一軍でプレーし始めて以降、ベンチでは監督の前に座り、時にチームを鼓舞しながら、試合を観察し続けている。
自慢のバット以外でも勝利に貢献する。まだ22歳というのだから、末恐ろしい。