エンゼルス大谷は打投とも成績トップ級なのに…MVP争い劣勢の裏に「総合貢献度」の盲点
さるニューヨーク特派員によれば、「オンリーワン対ナンバーワン」の図式だという。
ア・リーグMVPを争う大谷翔平(28=エンゼルス)とアーロン・ジャッジ(30=ヤンキース)のことだ。投打ともにトップクラスの成績をマークする唯一の二刀流選手の大谷が「オンリーワン」なら、目下55本塁打でア・リーグ記録の61本を上回るんじゃないかといわれるジャッジは「ナンバーワン」。どちらがMVPを獲得するかという議論が連日、米メディアを賑わせている。
「大谷が追い上げているものの、現時点ではジャッジ優勢という論調が多い」とは前出の特派員だ。
MVPの投票権を有する記者たちが参考にするといわれるのがWARと呼ばれる数値。打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価して選手の貢献度を表す指標のことだ。
米サイト「ベースボール・リファレンス」によれば大谷のWARが7.9に対し、ジャッジ8.6。「ファングラフス」は大谷7.9、ジャッジ9.1(日本時間9日現在)。いずれも大谷はジャッジより劣っていることになる。投打ともにトップクラスの成績を残しながら、彼我の数値の差はなぜ生じるのか。スポーツライターの友成那智氏はこう言った。