富士大・金村尚真の速球はホームベースのちょい向こうあたりから、地を這うようにうなる
オーバーハンドのこのタイプで、高めにふかしたボールがないのは、ベンチはどれだけ安心して見ていられるか。「ふいの長打」で慌てることがない。
同点にされた直後の投球も、カーブを見せておいて143キロの速球でドン詰まり……。
投球に動揺がなく、スクイズも冷静なグラブトスで追加点を許さない。こんなに技術を持った投手もいないだろう……と思っていたが、ブルペンで捕手の頭の上から全力投球を見せていただいて、驚いた。
■ヤクルト小川泰弘との共通項
9月、金村投手がある社会人チームに練習参加した時のことだ。
真っすぐがうなる。それも、低めでうなってくる。
ホームベースのちょい向こうあたりから、グワッと加速してくるような速球の「うなり」だ。
おそらく、初速・終速差の小さな体感スピード抜群の速球。これなら、空振りが奪えるはず。ヤクルト・小川泰弘投手を、創価大4年の時に受けている。地を這うような低め速球が、こんなボールだった。