日本ハムは二刀流・矢沢宏太を1位指名と公表 大谷の育成実績を“エサ”にどこまで本気?
「投げて打って走りたいと、本人の強い希望があった。彼のコメントを聞いて、魅力がさらに増した」
去る11日のスカウト会議終了後、日本ハムの稲葉GMがドラフトで矢沢宏太投手を1位指名すると公表。その後、囲まれた報道陣に向かってこう言ったのが大渕スカウト部長だ。
■他球団への“ドーカツ”?
「これは矢沢の希望をかなえられるのはウチだけという、他球団に向けたメッセージですよ」と、さる日本ハムOBがこう続ける。
「日体大で投手とDHだけでなく、外野も守った矢沢に関しては、多くの球団が野手として評価している。中には投手として考えている球団もあるにはあるが、両方やらせようとしているところはおそらくない。なので本人との面談でも、投手と野手、どちらをやりたいかという質問が圧倒的だったと聞いた。けれども、日本ハムは大谷を育てた実績をもとに、ウチなら二刀流にチャレンジできるとアピール。本人の気持ちもつかんでいると思いますよ」
もっとも、チャレンジしたからといって、矢沢がプロの世界で投打の二刀流をまっとうできる保証はどこにもない。メジャーでMVPを獲得したあの大谷翔平ですら、最初から投打とも順調だったわけではない。高校時代に160キロを投げたケタ外れのポテンシャルに加えて、首脳陣の辛抱強い起用があったからこそ大成したのだ。
前出の大渕スカウト部長は「大谷のような使い方は考えにくいけど、新庄監督ならいろいろと工夫してくれると思う」とも話している。