阪神・今岡打撃コーチが死んでも忘れない岡田監督の教え 2008年「バースデーアーチ」生んだ指導者の矜持

公開日: 更新日:

「08年の9月11日、3カ月以上二軍にいた今岡に『すぐ使うぞ』と言って一軍に上げた。ヤクルトの先発が左腕の石川(雅規)で、前日、肘に死球を受けた関本が使えないといった、いくつかの条件が重なったとはいえ、いいタイミングだと思った。この日が今岡の(34歳の)誕生日ということは誰も知らなかった。俺は、同時多発テロが起こった日と同じなので覚えていたのだ。

 今岡は1打席目、粘った末に同点2ランを打った。今岡という選手は二軍に置いて調子を見るというタイプではない。気持ちで打つ選手やから、難しい球をホームランすることもあれば、あっさり三振する時もある。この点も野村さんには嫌われていたのではないか」

 岡田監督はさらにこう続けた。

「監督ができることは、どうやって気持ちを奮い立たせるかということだけや。ならばそういう場面をつくり出してやればいい。どんな選手にも長所がある。それを引き出したり、伸ばしたりする手助けをするのが指導者ではないだろうか。俺はどんな選手も色眼鏡で見たことはない」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…