ソフトB馬原孝浩 09年大会の準決勝で投げた頃にはフォークイップスになっていた
馬原孝浩(2006、09年大会出場/現・火の国サラマンダーズ監督)
元ソフトバンクの守護神で現在は「火の国サラマンダーズ」の監督を務める馬原孝浩氏(41)が出場した2度のWBCを語る後編は、滑るWBC球に対応するため、どんな対策を取ったのか。2009年大会で大フィーバーを巻き起こしたイチロー(マリナーズ)はどんな様子だったのか──。
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滑るWBC球に悩まされていた。湿気がある日本にいる時はまだマシだったというが、2次ラウンド以降の米国(ペトコパーク=サンディエゴ・パドレスの本拠地)に渡ると、「空気が乾燥していて、ボールの抑えが利かなくなった」と言う。
■松坂がハンドクリームなど教えてくれたが…
「真っすぐやカットボールが抜けてしまうだけでなく、僕にとっての生命線のフォークボールもすっぽ抜けてしまう。それでも投げないと抑えられない。捕手の城島健司さん(マリナーズ)はどんどんフォークのサインを出してくる。メジャーリーガーの松坂大輔さん(レッドソックス)が、ハンドクリームやロジンバッグなど対策を教えてくれたり、指にボールを深く挟むと滑るので、ツーシームのように少し指を広げるイメージで投げるしかないとアドバイスされ、だましだましやっていました。準決勝の米国戦で八回に2失点した時には完全に『フォークイップス』になっていましたね。右肘から先の前腕がパンパンに張るから、しっかりケアをしないと故障していたと思います。毎回議論になりますが、日本のプロ野球が使うボールと統一してくれたら投手にとってはありがたいのですが……」