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友成那智スポーツライター

 1956年青森県生まれ。上智大卒。集英社入社後、今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流、米国での現地取材も頻繁に行いアメリカ野球やスポーツビジネスへの造詣を深める。集英社退社後は、各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」は日本人大リーガーにも愛読者が多い。

WBC決勝ラウンド会場は初の東海岸開催 フロリダ州マイアミになった社会的な背景

公開日: 更新日:

 アリゾナで行われた試合のうち満員になったのは米国対メキシコ戦だけ。ゴールデンカードと思われた米国対カナダの一戦は6割強しか埋まらなかった。それに対しプールDはプエルトリコ対ドミニカ、ニカラグア対プエルトリコ、ドミニカ対ベネズエラ、ベネズエラ対プエルトリコの4試合が満員になったほか、ドミニカ対イスラエルの一戦も9割の席が埋まった。

 これらは米国で行われた第三国同士のゲームである。にもかかわらず、これだけの観客動員があったのはヒスパニック系住民の多くが、家ではスペイン語を話し、米国より故国に親近感を抱いているからだ。

■キューバ系市民の反発解消

 このような傾向は、実は以前から顕著だったにもかかわらず、これまでマイアミで決勝ラウンドが開催されなかったのは、地元住民の反発を恐れたからだ。もし、社会主義キューバのナショナルチームがマイアミに来れば、カストロ政権に財産を奪われ、命からがら米国に逃げてきた反共色の強いキューバ系市民による激しいボイコット運動が起きることが予想されたためだ。

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