中日クラウンズは力ずくでは攻略できない…蝉川泰果も初日は初の「和合」に大苦戦
【中日クラウンズ】第1日
(愛知・名古屋ゴルフ倶楽部和合C=6557ヤード・パー70)
距離はないが、バンカーに囲まれた硬くて速い砲台グリーンに加え、読みづらい風。これが通称「和合」と呼ばれる会場の特徴だ。この10年は用具の進化もあり、ゴルフ界ではパワーヒッターが幅を利かせているもの、今大会の歴代優勝者を見ると、15年I・J・ジャン(42)、18年Y・E・ヤン(46)、19年宮本勝昌(46)、21年岩田寛(40)はいずれも不惑を超えたベテランだった。
そんな舞台で初日は、プロ転向半年の蝉川泰果(22)がどんなプレーを見せるか注目された。何しろドライバーを振れば320ヤード以上も飛ばす飛距離自慢だが、この日はティーショットが安定せず、後半の11番パー4も左サイドの木に当ててボギー。17番パー3はキャリーでグリーンを超えてボギー。初の和合に苦戦し、首位に5打差のイーブンパー28位と出遅れた。
ツアー関係者が言う。
「和合は400ヤードを超えるパー4が3ホールだけで、極端に距離の長いホールはない。第1打にロングアイアンやユーティリティを使い、番手間の距離(ビトゥイーン)を残さないことや。グリーンのコンパクション(硬さ)に合わせたスピンコントロールが求められる。この日のコンパクションは24.5で速さは12フィートでしたが、前日の雨でラフからでもグリーンに止めることができるホールもあった。2日目以降はグリーンがより硬くなるので、ラフからバーディーチャンスにつけるのは厳しい。飛距離よりも目標へ運ぶショットを続けるという、ゴルフ本来の技術が勝敗を分ける。それが中日クラウンズのおもしろさです」
蝉川は2週前の「関西オープン」に優勝。アマ時代は日本オープンを含めて2勝し、すでにツアー3勝の実績を持つ。今大会はプロ転向後、国内8戦目だ。初日のミスを教訓に和合でスコアをどこまで伸ばせるだろうか。