原監督「個人より巨人」実態は「巨人より個人」…データや作戦あれど“束”になれない裏側
■日本一奪還に大きく貢献したコーチが離脱
そんな巨人に風穴をあけたコーチがいた。2012年に入閣した橋上戦略コーチである。貧打の打開策として主力が低めのボール球に手を出していた点に着目。目線を上げることや見逃し三振OKと徹底させたことで、劇的に三振数が減り、大幅に四球数が増えた。日本一奪還に大きく貢献したはずが、別のチーム関係者はこう言った。
「12年は出塁率が飛躍的に上がり、効果は絶大だった一方で、『見逃し三振で打率が落ちたら誰が責任を取るのか』と言ってくる選手もいて不穏な空気はあった。その翌年から日本一になれなくなると、今度は許容していたはずの原監督が『数字にばかり頼るのはいかがなものか』とか『追い込まれたら食らいつくのが打者の本能だろう』とデータや見逃し三振をあからさまに批判するようになって、チーム単位で徹底することが難しくなった。原監督はもともと見逃し三振が大嫌い。橋上コーチは結局、楽天に移籍していきました」
原監督は「個人より巨人」とよく言うが、実態は「巨人より個人」という逆のカラーが根強いのだ。