広島が強い、首位阪神に再び2.5ゲーム差! カープを再建した新井采配「3つの濃密」
前評判は決して高くなかった。「最下位」と予想する評論家もいた。そんな広島が今、強い。
6日の首位阪神との第3ラウンドは、打撃不振のため、二軍生活が続いていた小園海斗(23)が二回に今季1号2ランで先制。その後も着実に追加点を奪った。投げては、先発の野村祐輔(34)が二塁を踏ませない好投で6回無失点。329日ぶりの勝利で、4-0で快勝した。阪神戦5カード目にして、今季初の勝ち越し。新井貴浩監督(46)は「スタメン、後から出ていく選手、全員でつかんだ勝利」とホクホク顔だった。
広島は貯金6の3位につけ、首位阪神に再び2.5ゲーム差に迫った。苦手の交流戦を9勝9敗の五分で乗り切ると、リーグ戦再開後は6連勝を含む8勝4敗。存在感を増しているのが、指導者経験のないまま就任した新井監督である。
■球数管理で投手陣を立て直し
広島のさる球団関係者がこう声を潜める。
「(前の)佐々岡監督は全く動かなかった。機動力も使わないし、攻撃のサインは送りバントくらい。人はいいんだけど、監督としてはどうだったのか……。その点、新井監督は試合を動かす。通算300犠打の記録を持つ菊池を不動の2番から1番に変更。簡単に送らない攻撃的な野球を目指していて『おっ』と思うようなバスターとかエンドランとかバリエーションが豊富。投手起用でも選手の負担をできるだけ避けて大事にしている」
今季の盗塁数は、リーグトップの阪神と1差の38。リスクを冒すことを嫌った佐々岡前監督が指揮した昨季は、1シーズンでわずか26盗塁。12球団ブッ千切りのワーストだったから、今季はすでに大きく上回っている。攻撃に動きが出てきたのは確かだ。
チーム防御率も3.09で同3位。新井監督は先発投手陣の球数を管理し、リフレッシュ休養を与えるなど投手陣の立て直しに成功している。