巨人高梨は「与死球のトラウマ」を克服できなきゃ“選手生命ジ・エンド”…虎近本を病院送りにした後が正念場
「相手に骨折などの大ケガを負わせた場合、心理的に内角に投げられなくなる投手は多いですね」
こう言うのは、武器のシュートを駆使し、1998年に沢村賞を受賞したヤクルトOBの川崎憲次郎氏である。
巨人の高梨雄平(30)は2日の阪神戦、同点の七回1死一、三塁の場面で登板。近本への初球の直球を右脇腹付近にブチ当てた。近本は右肋骨を骨折。4日に出場選手登録を抹消されたことを受け、高梨は「大事な時期だし、キャリアの中で骨折で離脱させてしまうのは本当に申し訳ない」と謝罪し、2日の試合後には社会人ENEOS時代に同学年で同僚だった阪神・糸原を介して謝りの連絡を入れたという。
近本は痛くて当然だ。しかし、当てた投手も「無傷」とはいかない。冒頭の川崎氏がこう言う。
「私は通算で34与死球だから少ない方でしたが、若い頃は打者にぶつけた後、気になって内角に投げられなかった。それでは甘くなって打たれてしまう。これが死球の怖さです。でも、シュートを覚えてからは、配球のほとんどが内角になったので『当ててもしょうがない』と割り切れるようになった。心がけていたことがあって、内角へ甘く入って打たれる恐怖、打者に当ててしまう恐怖を半分に減らす方法があるのです」