迷える渋野日向子 スイングやグリップをコロコロ“七変化”の大問題…通算14オーバー終戦
【全米女子オープン】第2日
「今の状態でこの舞台は厳しすぎる……」
通算14オーバーでホールアウトした渋野日向子(24)はそう感じたに違いない。
痛めている左手親指への負担が軽くなるベースボールグリップ(BBG)に変えたのが1カ月前。従来のインターロッキンググリップは、左人さし指と右小指を絡めるため両手の一体感があるが、10本の指で握るBBGはショットの感覚がまるで違う。その決断には疑問の声も少なくなかった。実際、グリップを変えて5日目で出場した所属先主催の大会は予選落ちだった。
あれから1カ月。大舞台を前に、突然、従来のグリップに戻した。開幕前は「これの方が(球を)コントロールしやすい」と語っていたが、初日は7オーバー124位と「ボロボロ」(渋野)。2日目も4ボギー、1トリプルボギーの79とスコアを大きく崩した。
プロがグリップを変えることは大きな賭けである。スイング改造もそうだ。2019年全英女子オープン優勝に導いてくれた青木翔コーチの元を20年末に離れた渋野は、石川遼の助言を得てトップが低いコンパクトなスイングに変えた。新スイングで21年は国内で2勝を挙げたものの、主戦場を米ツアーに移した昨季は予選落ち9回と苦戦。オフに再び青木コーチの門をたたいた。