元プロ野球選手・山口俊さん 六本木で白ワインとシャンパンの合うちゃんこ屋を始めたワケ
プロ野球人生に後悔はないが…
2014年に2歳年上のグラビアアイドルと結婚。夫人は8歳から2歳までの1男2女の子育て中心だが、合間を縫って経理を手伝い、店にも月10日ほど立って内助の功を発揮してくれている。
「子どもたちと過ごす時間は野球をやっていたときに比べ、少なくなりました。子どもらに『あんまり会えないね』と言われて切ないです。せめて日曜は一緒に過ごしたくて、店を日曜定休に。休日は7歳になる長男と野球をやったり。つい真剣にやってしまうので、息子には嫌がられていますが(笑)」
店には野球中継できるテレビも、現役時代のユニホームもないが、野球への思いは今も強い。
「ABEMAで解説をやらせていただいているので、試合のダイジェストや結果はチェックしています。野球で育ってきたので、まったく切ってしまいたくはない。でも、今はかわいい従業員を抱え責任もあります。まずはしっかり自分の基盤をつくることが優先です」
■恵比寿にエステサロンをオープン
この7月には東京・恵比寿にエステサロンをオープン。なぜエステ?
「選手時代から、個人トレーナーと組み、恵比寿でマッサージ店を経営していました。エステ店もマッサージ店に近いので、まったく知らない業界ではないんです。その個人トレーナーとは契約が切れ、新しく施術の腕のいい先生と知り合ったので、オイルを使ったオールハンドの小顔やむくみとりの店を始めました。ヒト幹細胞培養液配合のユニセックスの化粧水や乳液も販売しています。美容意識の高い方向けのハイプライス商品です」
すっかり実業家の顔だ。
さて、山口さんは06年、柳ケ浦高校からドラフト1巡目で横浜ベイスターズ入団。16年にFAで巨人に移籍すると、史上初の100セーブ超でノーヒットノーランを達成するなど、リリーフでも先発でも活躍した。
巨人移籍3年目にはリーグトップの成績でリーグ優勝にも貢献。20年から大リーグに挑戦したが、コロナ禍が直撃し不遇を味わった。
「自分のプロ野球人生に後悔はないですが、満足もしていません。メジャーリーグで活躍するのが目標だったので。投手としては先発もリリーフも経験させていただき、それぞれ役割が違い難しかったですが、いろんな経験ができたことは宝。これから一般社会で生きてくると思っています」
(取材・文=中野裕子)