エンゼルスが主砲トラウト放出なら大谷翔平のFA移籍加速…ヒリヒリ9月どころか長期低迷へ
トラウトは7年約365億円の年俸負担がネックに
とはいえ、今や落ち目のトラウト獲得に手を挙げる球団はあるのか。
大リーグに詳しいスポーツライターの友成那智氏がこう言った。
「復活すれば活躍は見込めるものの、故障リスクが高いベテランのトレードは難しいと言わざるを得ません。打撃だけでなく、今季は守備の衰えも目につくようになった。残りの年俸約365億円を負担してまで獲得に動く球団は皆無でしょうし、半額の約180億円でも引き取り手があるかどうか。エ軍は最低でも年俸の6割を負担しなければ、交渉はまとまらないでしょう。昨年、一部米メディアがトラウトの故郷であるニュージャージー州ミルビル近郊に本拠地を構えるフィリーズ(ペンシルベニア州フィラデルフィア)が獲得に前向きと報じられたこともありましたが、フ軍は強力打線を擁するだけにトラウトには見向きもしないはずです」
■若手有望株が手薄なまま再建期に突入
エ軍はトラウトをトレードできる可能性はゼロではないものの、問題は交換要員だ。今季は8月上旬のトレード期限までに、多くの若手有望株を放出しており、ただでさえマイナーは人材難に陥っている。主砲をトレードするだけに、エ軍は見返りに将来性のある若手有望株を求めるだろう。
「トラウト獲得に自軍のプロスペクト(有望株)を差し出す球団があるとは思えません。メジャーの控え選手やマイナーの期待値の低い若手3~4人との交換になるはずで、エ軍の再建を託すような有望な若手を手に入れるのは無理でしょう。元々、マイナーに育成力がないため、他球団から獲得した若手が大化けするとは考え難い。いずれにせよ、9年連続でポストシーズン進出を逃すことが決定的なエ軍が再建期に入らざるを得ないのは明らか。来季以降、大谷が熱望するポストシーズン進出はしばらく望み薄でしょう。今のエ軍にとって、トラウトの放出はマイナスの部分が大きい。本当にトラウトをトレードすれば、資金は浮いても『ヒリヒリする9月』を望む大谷はいよいよエ軍を見限るのではないか」(前出の友成氏)
主砲のトレード問題は大谷の去就を大きく左右しそうだ。