レンジャーズ球団初世界一に大手で現実味 大谷獲得の切り札になりそうな“名将監督”の交渉術
ワールドシリーズは日本時間1日、大谷翔平(29)のエンゼルスと同じア・リーグ西地区のレンジャーズがダイヤモンドバックス相手に3勝1敗とし、球団初の世界一に王手をかけた。2日の第5戦に勝てば、初の頂点に立つ。
資金力豊富なレ軍は今オフ、FAになる大谷の移籍先として有力視される球団の一つ。今季開幕時の年俸総額は30球団中16位の1億4550万ドル(約220億円)。来季のぜいたく税基準額2億3700万ドル(約359億円)まで余裕があるだけに、大谷獲得に費やせる資金は潤沢だ。
レ軍の主力で、今季終了後に契約が切れるのは左腕モンゴメリー(30=10勝11敗)だけで、大幅な戦力低下はない。通算3度の世界一を成し遂げた名将ブルース・ボウチー監督によって来季以降もポストシーズン進出争いを繰り広げるのは必至だ。「ヒリヒリする9月」を熱望する大谷にとって理想的な球団の一つである。リーグ連覇を狙うレ軍が大谷の争奪戦に参戦すれば、交渉に指揮官が自ら出馬する可能性もある。
ボウチー監督はジャイアンツ監督に就任した2006年オフ、他球団へのFA移籍が確実視されていた主砲バリー・ボンズとの交渉に自ら乗り出し、引き留めた。オフには毎年、FA選手との交渉に参加し、口説き落としてきた。大谷がポスティングシステムでメジャー移籍した17年オフにも、ジ軍フロントとともに面談したそうだ。
今季は敵将ながら大谷について「(17年当時は)これほどの選手になるとは思わなかった。最も偉大な選手になる可能性を秘めている」と話している。
大谷はタフネゴシエーターでもあるオールドスクール(守旧派)指揮官の熱烈アタックを受けそうだ。