巨人が前阪神ケラー獲得で中継ぎ補強 抑え大勢コケたら「守護神」抜擢にも現実味
巨人が26日、今季まで阪神で2年間プレーしたカイル・ケラー(30)の獲得を発表した。
阪神に在籍した今季は、シーズン途中の8月に家庭の事情で帰国するまで27試合に登板。1勝0敗1セーブ、防御率1.71と抜群の安定感を誇った。
ライバルである阪神に所属した助っ人が翌年に巨人でプレーするのはメイ以来24年ぶり。巨人は現役ドラフトで阪神から馬場を獲得しており、阪神から2選手が翌年巨人に移籍するのは、初の珍事となった。
今季、巨人の救援防御率はリーグワーストの3.83だった。そのため、今オフはトレードでソフトバンクから高橋礼と泉、オリックスから近藤を獲得。阪神から馬場、ケラーと救援投手をかき集めている。さる巨人OBがこう言った。
「その中でもケラーは重要な補強だった。MAX157キロの直球と大きく割れるカーブが武器。他にカットボール、スライダー、フォークなど変化球も多彩。球団は『常時150キロ以上の球威があって、かつて絶対的セットアッパーだったマシソンになれる』と期待している。勝ちパターンのリリーフ陣の一角として、まずは『七回』からのスタートになるだろうが、抑えの大勢が6月末に右上肢のコンディション不良で長期離脱。9月中旬に復帰した後も3試合連続失点と精彩を欠いたのは、実は本来の投球フォームを見失い、バランスを崩してしまったから。正直、完全復調できるかは微妙という状態です。ケラーは阪神では主にセットアッパーだったが、大勢がコケた時のクローザー抜てきもにらんだ補強でしょう。それにしても、阪神から2人も取るとは……」
阿部慎之助監督(44)を迎えた巨人、プライドをかなぐり捨てて勝ちにいく。