筋肉美女はどう鍛えたのか…みさみささんがプロフィギュア選手を目指したきっかけ
まるで合成写真かと目を疑ってしまうルックスと肉体のギャップだ。一朝一夕では実現できない鍛え抜かれた鋼のボディーだが、女性らしい筋肉美も兼ね備える。女性ボディービル最高峰の大会「ミス・オリンピア」での優勝を目標に据える彼女は一体、何者なのか。ざっくばらんに聞いた。
◇ ◇ ◇
下から順に見ていこう。
太い足を大根に例える人が見たら、「これはもう屋久杉レベルだ」とぶったまげるだろう大腿四頭筋。ガラスの砂時計のように引き締まったウエストライン。その付け根から始まる広背筋から三角筋にかけての芸術的な扇状にいたっては、河口湖に浮かんだ逆さ富士だ。
そして一番上まで見上げると、SNSで「ギャップがすごい!」とバズったのも納得いくだろう。
「2021年に、ミュージシャンのマハラージャンさんのPVに出演したのがきっかけで知ってもらえるようになったんですが、有名になりたくて鍛えてたわけではないのでびっくりしました。天下一品のCMやシューイチにも呼んでいただけるようになってタレント業も積極的に挑戦していきたいと思っています。
でも最近、世に出るのも大変だなって感じたこともあって。インスタグラムのDMに、いろんな言語で『僕をイジメて』とか『力で押さえ込んでくれ』とか、世界中のドMさんからメッセージが来るようになったんですよ。基本無視ですけど、たまーに返信してあげてます」
そう語るのは、規格外の肉体と美貌が注目されている、みさみささん(29)。本業は、ボディービルの国際団体「IFBBプロ」に所属するプロフィギュア選手だ。
■わかりやすく言えば「マッチョなセーラームーン」
「プロのボディービル選手だと思っていただければ、だいたい合っています。ボディービルコンテストにはたくさんの種目があって、私が参加しているのは『フィギュア』というカテゴリー。筋肉美と女性らしい美しさの両方が審査基準になる競技なので、メークをばっちり決めて、アクセサリーやハイヒールを身にまとって競い合います。
筋肉美と女性美の両立が難しいところで、私の場合は『もうこれ以上体を大きくする必要はない』とコーチに言われているんですよ。全身の筋肉の均整やそれぞれの筋の深さ、ポージングの美しさなど、極めたら果てしない競技なんです。わかりやすく言ったらマッチョなセーラームーンって感じですかね」
理解しやすい表現だが、いったいどんなときにムキムキ美少女戦士になりたいと感じたのだろうか。
「きっかけはアキレス腱の断裂だったんです。中高と陸上競技にのめり込んで七種競技が専門でした。社会人になって働きながらも、昼休みには自転車で競技場に駆けつけて練習してました。これからも一生陸上をしていくと思っていたときに大けがをして。何にもできないのに競技場に行って、たそがれるなんてこともありました。
そんな時期が3カ月くらい続いたときに友達に韓国のフィギュア選手をスマホで見せてもらって、ものすごく輝いていて自由に見えたんですよ。23年で一番うれしかったのは、このときに憧れたダジョンさんに韓国で会えたことです。もう、うれしすぎて号泣でした」