スマホは空港で没収、個人行動は一切禁止…2泊3日でひしひしと感じた「停戦中」の緊張感
森保一監督(55)率いる日本が2026年に米国・カナダ・中南米で共同開催されるW杯のアジア2次予選で難敵との2連戦を迎える。北朝鮮と21日に国立競技場で、26日に敵地・平壌で対戦するのだ。謎のベールに包まれている北朝鮮代表の情報分析は進んでいるか? 平壌での試合でアクシデントは起きないか? 13年前の敵地・北朝鮮戦をフリーランスとしてただ一人(記者は6人のみ)、現地取材を許されたサッカージャーナリストの森雅史氏に聞いた――。今回はその【前編】。
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これまで5大陸すべてでサッカーの試合を見てきましたが、11年11月15日に取材に出向いた朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は、他のどんな国とも違いました。
「停戦中」という緊張感がヒシヒシと伝わってくる中、最初に空港でスマートフォンを没収されました。GPS内蔵機種の場合、建物の正確な位置が特定され、爆撃の際に使われることを懸念したのでしょう。でも個人情報の塊を預けるのは、ためらいがありました。
そこで「パスワードを10回間違えて入力すると内容が消去される機能」を使い、あらかじめ9回間違えておいてから手渡しました。出国の際に確認するとパスワードを入力した形跡はなかったのでひと安心しました。