報徳学園・大角健二監督に強豪校ならではの苦悩を直撃「5年弱、甲子園から遠ざかり大変だったのでは?」
──18年夏を最後に昨春まで甲子園から遠ざかり、精神的に大変だったのでは。
「一応、近畿大会に出場できたり、春の県大会は優勝したりっていうことで、全く箸にも棒にもかからない状態ではなかった。あと一歩頑張ればなんとかなってることが続いてたんで、その一歩の壁が大きいなとは思ってるんですけど、気持ちが切れないモチベーションにはなっていましたよね。当然、申し訳ない気持ちはありましたが」
──21年春に立命大時代の先輩で元阪神の葛城育郎氏をコーチとして呼んだ意図は?
「3つあります。まず、うちの指導者の野球歴が全員大学野球までしかなく、高いレベルの技術を学びたかった。2つ目が外部指導員というか、OB以外の外部の血を入れたいっていうことがありました。内部に染まった人間って、やっぱり視野が狭くなってしまうし、良くない部分、黒い部分というのがあっても見逃してしまう。いくら伝統校とはいえ、そういった外部の目は必要かなと思いました。そして一番大きい理由が、葛城コーチは飲食店を経営されているのですが、こだわりをもってやっていることです。プロ上がりの人の中にはお金を出しただけでオーナーとしてお店を経営されている方もいますが、葛城コーチは実際に何年か店で修業して、自分で仕込みもして調理もする。そうした人間味のある姿が学生スポーツの指導に向いているなと思いました。よく先輩がいてやりにくくないかといわれるのですが、僕は年長者がいて見てもらう方がやりやすいですし。葛城コーチもしっかりと僕を立ててくれます」