地元メンツのみでセンバツ8強入り 徳島・阿南光の快進撃の裏に「県南強豪チーム」の存在
県立校である阿南光(徳島)がセンバツで8強入りと、躍進している。豊川(愛知)との初戦を11-4の猛攻で制し、二回戦では4-0で熊本国府(熊本)を完封した。
エースの吉岡暖は2試合連続で完投、2ケタ奪三振を奪う活躍を見せている。吉岡をはじめ、正捕手の井坂琉星、4番の住江慶次郎など主軸の6人を送り出したのが、地元強豪硬式チームの徳島阿南シティホープだ。田村達矢監督(63)はこう話す。
「徳島県内では鳴門や徳島商など強豪校がありますが、県南では強い学校がなかった。本当は地元に残してあげたい気持ちもありながら、これまでは選手を県外などに送り出していたんです。そんな中、22年に高橋徳監督(41)が阿南光の監督に就任しました。『県南のチームを強くしたい。力を貸してほしい』ということで、やれるのかと確認したが『やれます』と。高橋監督の指導方針や熱意に魅かれ、うちの選手を預けるようになったのです」
吉岡の代は全国制覇も経験。私学からも熱心な勧誘があり、吉岡も初めは県外に進学するつもりだったという。田村監督が続ける。