著者のコラム一覧
友成那智スポーツライター

 1956年青森県生まれ。上智大卒。集英社入社後、今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流、米国での現地取材も頻繁に行いアメリカ野球やスポーツビジネスへの造詣を深める。集英社退社後は、各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」は日本人大リーガーにも愛読者が多い。

「ツーシーム」はいまや死語? メジャーで流行り球種、廃る球種、復活した球種

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■復活した球種=フォークボール

 MLBでは1970年代から80年代にかけて、フォークボールを武器にする投手がたくさんいた。ヒジを壊す元凶という説が流布し、落ち方は小さいがスピードが出るタイプのフォーク=スプリッターに乗り換える投手が続出した。そのため「フォークボール」という言葉は死語と化し、野茂、佐々木、上原らの大きく落ちる一級品のフォークボールは「スプリッター」に分類された。しかし、昨年メッツに「お化けフォーク」という異名のあるボールを武器にする千賀滉大が入団し三振を量産。ファンがフォークボールという言葉を特別視するようになった。そこで、MLBは「死語」と化していた「フォークボール」を復活させ、千賀限定で使うようになった。

■死語になりつつある球種=ツーシーム

 ステロイドでパワーアップした打者が本塁打を量産した90年代から2000年代にかけて、メジャーの投手は小さく沈む軌道になる速球=ツーシームを多投して打球が上がりにくくした。特に一発リスクが高い日本人投手にとってツーシームの習得は必須事項だった。

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