一人横綱・照ノ富士が満身創痍でも引退できない複雑事情…両膝と腰に爆弾抱え、糖尿病まで
加えて、親方株の問題がある。
照ノ富士は伊勢ケ浜部屋の後継者と見なされており、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は来年7月に定年を迎える。そのタイミングまで現役を引き延ばして引退し、定年延長を希望しているという師匠と親方株を交換するのがベストなのだが……。
「問題は交換する親方株を持っておらず、そのメドも立っていないことです。今は慢性的な親方株不足。空き株はたったの3つで、いずれも伊勢ケ浜一門が所有しているものではない。横綱は引退後5年間はしこ名のまま、親方として協会に残れるが、その間に親方株を取得できない場合は廃業しかない。伊勢ケ浜親方は他の多くの親方と同様、定年延長の最大限である5年を希望するはず。となれば、照ノ富士は株を持たないまま師匠の定年より先に引退してしまうと、最悪、5年後の廃業もあるということです」(角界OB)
株取得のメドが立っていない今、照ノ富士は師匠の定年より一日でも長く石にかじりついてでも現役を続けるしかないのだ。
「あるいは伊勢ケ浜親方に定年延長を諦めてもらうか、です。その場合は参与として協会からもらうはずだった報酬の5年分を手当てする必要が出てくるでしょう。聞くところによれば、伊勢ケ浜親方は師匠を退いた後も“院政”を敷く意向があるらしい。すでに部屋の近所に、退職後に住む家を準備しているともっぱら。師匠をうまく説得して『出すものを出す』ことができれば、好きなタイミングで引退できるが、果たしてそれが可能かどうか……」(前出のOB)