ピッチクロックが新たな労使交渉の争点になる…大谷は時短化に「間違いなく負担が増えている」
2023年に始まったピッチクロックに対する大リーグ選手会(MLBPA)の態度は一貫して否定的であり、大リーグ機構に改善を強く求めている。
確かに、シェーン・ビーバー(ガーディアンズ)、スペンサー・ストライダー(ブレーブス)、投手としての大谷翔平(ドジャース)ら、球界を代表する投手が昨季から今季にかけて相次いで肘や肩をケガしたり、トミー・ジョン手術を受けたりする状況は、従来と異なる。
この間に起きた投手に関する大きな変化といえば、ピッチクロックの導入である。
ピッチクロックによって、投手が球を受け取ってから投げるまでの時間が厳密に計測されるようになったものの、投球に求められる動作が短縮されるわけではない。そのため、これまでよりも短い時間で一連の動きをスタートしなければならない。息つく間もなく投げることで体への負担が増し、結果として投手のケガが増えているというのがMLBPA側の批判の趣旨である。こうした見方は大谷も「間違いなく負担が増えている」と指摘し、肯定している。