新球団で苦闘 ボールも打撃投手もマシンも…「ないない尽くし」からのスタートだった
35歳の元ロッテ福田秀平は2人部屋
──目指すは勝利? それとも育成?
「チームは『育成、再生、勝利、そして地域密着』を掲げています。育成は今年のドラフトにかかる選手を1人でも多く輩出すること。これがメインですね。再生は退団した前NPBの選手をもう一度復帰させること。元ロッテの福田秀平は35歳で、最初の頃は寮の2人部屋で生活しながら頑張っていました」
──他にないものは?
「寮はあるけど、食堂がないから、みんな弁当を買って食べています。専用の室内練習場がなくてブルペンで打ったり……。ファームは育成の場だから、相手球団が練習できる室内がないのは困りますが……」
──参入1年目は5日現在、ウエスタン・リーグで20勝43敗4分けの最下位と苦戦中。
「オリックスの左腕・宮城大弥と3月の開幕戦で対戦した時は、5回を2安打で7三振を食らって無得点。二塁すら踏ませてもらえませんでした。うちは序盤から大量失点することがあっても、10点取られた先発投手が続投ということがある。他の球団だったら考えられません。ウエスタンは139試合の長丁場。選手の層が薄いから、投手をムダに使えないからです」 (つづく)
(聞き手=増田和史/日刊ゲンダイ)
◆内田順三(うちだ・じゅんぞう) 1947年9月10日、静岡県生まれ。東海大一高から駒大。13年間の現役生活はヤクルト、日本ハム、広島で主に外野手としてプレー。82年に現役引退。翌83年に指導者に転身。広島、巨人で打撃コーチ、二軍監督などを19年まで歴任し、多くのタイトルホルダーを育てた。20年から社会人野球のJR東日本の外部コーチ、昨年はロッテの臨時打撃コーチを務めた。