新球団で苦闘 ボールも打撃投手もマシンも…「ないない尽くし」からのスタートだった
ファームのリーグ拡大に伴い、静岡県に初めてプロ野球の球団「くふうハヤテベンチャーズ静岡」が誕生した。球団増は現在の12球団制となった1958年以来66年ぶり。昨年11月のオーナー会議でオイシックス新潟アルビレックスBCとともに新規参入が承認された。母体がないところからのスタート。最初はないない尽くしだった。巨人と広島で37年間、打撃コーチなどを務め、くふうハヤテの打撃アドバイザーに就任した内田順三氏(76)に新球団の内情を聞いた。
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──静岡とつながりが?
「私は三島市生まれで東海大一高(現・東海大静岡翔洋)出身。元横浜監督の山下大輔GM(清水東)や元近鉄の赤堀元之監督(静岡)ら、静岡出身の野球人に、球団社長から声がかかりました。指導は1カ月のうち15日くらいです」
──新球団の環境は?
「キャンプに行ってもボールが足りなくて、NPBの球団と比べたら半分以下。打撃投手もいなくて、打撃練習の際はコーチ、野手、球団職員も打撃投手をやる。キャンプの時は打撃マシンもなかった。社長に『マシンは絶対に必要です』と頼み込んで、今は直球とカーブマシンはありますが……」
──他には?
「経費節減のため、開幕当初の名古屋遠征は、静岡から業者のバスで往復6時間の日帰りで宿泊費を浮かせていました。5月にチームバスを購入したことで、遠征先で宿泊できるようになりましたが、安いビジネスホテルで原則2人部屋です」
──新球団だけに経費節減は徹底している?
「公式戦の日は、購入したチームバスをJR清水駅から本拠地のちゅ~るスタジアム清水まで無料シャトルバスとして使用しているそうです。選手が乗る移動用のバスをファンに開放するのは珍しいですよね」