選手の年俸は「NPBの育成くらいかな」…奮闘する新球団の選手事情まで丸裸!
巨人と広島で37年間、打撃コーチなどを務め、静岡県初のプロ野球の球団「くふうハヤテベンチャーズ静岡」で打撃アドバイザーとして奮闘する内田順三氏(76)。【前編】に続く今回はウエスタン・リーグで奮闘する新球団の選手事情などを聞いた。
──くふうハヤテから選手をNPB球団に送り込むのも重要な柱ですが、注目の選手は?
「巨人・増田大輝の弟、外野手の将馬(26)は、走攻守三拍子が揃ったいい選手です。巨人の兄とそっくりで俊足が武器。昨年まで四国アイランドリーグの徳島に2年間いて盗塁王になっている。強肩とシュアな打撃が持ち味で、兄よりパワーがある。打率も上位(.292=リーグ6位、8日現在)。フレッシュオールスターにも出るし、NPBでも通用するんじゃないかな」
──在籍している選手の特徴は?
「ほぼ全員が『NPBに行くんだ』と覚悟を持ってここに来ています。だから、私たちが何も言わなくても、みんなが残って自主練習をやる。打撃マシンは直球とカーブの2台しかないが、選手同士で投げ合ったりしながら打撃練習をやったり、全員が必死。NPBのファームよりハングリー精神はすごいですね」
──選手の年俸は1000万円を超える?
「いやいや、独立リーグの球団より高いかなというくらいで、おそらくNPBの育成選手の契約くらいじゃないですか(最低240万円)」
──苦労は?
「NPBの選手じゃないので、バットなどの用具も自腹でそろえないといけない。バットは1本数万円はする。選手の給料が安いので、私の古巣・カープと試合をする時は、コーチに頼んで使用済みのバットを譲ってもらっています。巨人にボールをもらったり、行く先々で寄付をしてもらっています。以前、巨人や広島のコーチをやっていた時、よく独立リーグの球団に頼まれました。足りないものが多いし、独立リーグに近い感覚です」