阿部詩まさかの敗因とは? 響き渡った慟哭…組み際の一瞬の隙、五輪連覇ならず2回戦敗退

公開日: 更新日:

 前回の東京五輪で圧倒的な強さで金メダルを獲得したが、その後は相次ぐ故障に見舞われた。東京五輪後の2021年秋に両肩の関節唇修復手術。復帰後は22、23年の世界選手権を連覇したものの、今度は腰痛に悩まされ、昨年10月の国際大会を欠場。ノーシードで迎えた今大会は、相手がメダル候補とはいえ、まさかの一本負けだ。絶対的な優勝候補に位置付けられた最強女王に一体、何があったのか。

 長らく柔道を取材するスポーツライターの木村秀和氏が「1、2回戦を見た限り、コンディショニングに不安を抱えているようには見えませんでした」とこう続ける。

「今回はケルディヨロワの作戦勝ちと言えるでしょう。相手は過去、詩に対し2戦2敗。まともに組み合ったら、キレのある技が豊富な詩に対して勝ち目はない。ケルディヨロワが勝機を見出すには、しっかり組まずに、組み際を狙って技を繰り出すしかない。組み際に一気に間合いを詰め、右大内刈りで迎え撃った詩を谷落おとしで沈めたのは研究の成果ではないか。詩は先に内股で技ありを奪って優位に立ち、相手が指導を2回食らっていたことから、一瞬の隙を突かれたのも敗因でしょう」

 増地監督は「海外の選手は詩をどうにかして倒そうと研究してきていた」と振り返った。絶対女王は相手の術中にまんまとハマってしまったか。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • その他のアクセスランキング

  1. 1

    卓球・木原美悠の父が教え子へのわいせつ容疑で逮捕!かつて語っていた天才愛娘へのスパルタ指導の中身

  2. 2

    北口榛花の地元凱旋パレード決定!北海道民が札幌五輪より期待「時の人」のプレミア度

  3. 3

    NBA挑戦の河村勇輝を待ち受ける「レジェンドJr.」の高い壁…難解な契約内容も早分かり

  4. 4

    トライアスロンが汚い場所にこだわる「意外な理由」…東京大会、パリ大会も体調不良者続出

  5. 5

    女子卓球・伊藤美誠に「引退説」浮上…失意の五輪代表落選、燃え尽き症候群、モチベーション低下のトリプルパンチ

  1. 6

    柔道ウルフ・アロンが来年6月の現役引退を改めて表明 プロレス転向説も…気になる今後を本人に直撃

  2. 7

    《東京が懐かしい》と選手悲鳴、地獄の選手村の実態…冷房なく「死ぬほど暑い」から窓を開ければ大量の虫

  3. 8

    セクハラ報道に株で逮捕…地に落ちた「3冠監督」のその後

  4. 9

    千葉入団の渡邊雄太もメンタルがズタボロに…河村&富永に立ちはだかる超過酷なNBAの現実

  5. 10

    再燃する「五輪卓球排除論」…“元中国人”が跋扈、不正野放し、金メダル独占の異常事態

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中日「ポスト立浪」に浮上する“第3の男” 侍J井端弘和監督、井上一樹二軍監督の名前が挙がるが…

  2. 2

    あるのか西武「デストラーデ監督」…黄金時代の最強助っ人が“復帰”、就任条件もクリア

  3. 3

    女優・沢田雅美さん「渡鬼」降板報道の真相で「本が一冊書けてしまうかな(笑)」

  4. 4

    元欅坂46原田葵アナ大胆起用に透ける…フジテレビ「女子アナ王国」復権への思惑

  5. 5

    泉ピン子「毒舌」の原点とは…えなりくんを「ガキ」呼ばわり、渡鬼ファンも仰天の内幕を暴露!

  1. 6

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

  2. 7

    楽天・田中将大は今や球団の「厄介者」…大幅負け越し&パワハラ関与疑惑に年俸2億円超ダウン

  3. 8

    巨人「助っ人野手の獲得下手」汚名返上できた納得の理由…今年はなぜ2人とも“当たり”?

  4. 9

    なにわ男子・長尾謙杜と交際か…フジテレビ原田葵アナ“におわせ”インスタの波紋

  5. 10

    楽天・田中将大に囁かれていた「移籍説」…実力も素行も問題視されるレジェンドの哀れ