原英莉花が国内ツアーをキャンセル、「罰金覚悟」で出場して得たスコットランド女子OPの収穫
初日のスタート時間は現地午後2時11分。悪天候でさらに遅れ、11ホール終了時に日没サスペンデッドとなった。翌日は薄暗い早朝スタートで、おまけに強風と寒さ、深いポットバンカーや膝まで隠れるブッシュやクリーク、硬いフェアウエーやグリーンなど、日本では考えられない状況に翻弄された。その結果、2日間通算8オーバー98位という散々なゴルフで予選落ちした。それでも原の表情には一点の曇りもない。
「リンクスという知らない世界での経験で、自分の未熟さと、これから何をすればいいかがはっきり見えてきました。この経験をこれからの米ツアー挑戦に生かし、準備を整えます」と落胆どころか、むしろ目の前の霧が晴れたような表情だった。国内ツアーに安住する気はないようだ。
強風が吹き続けた全英女子オープンもそうだったが、リンクスでは風速10メートルを超える強風や激しく変わる天候は当たり前。国内ツアーの甘さを知ったプロは少なくないだろう。それでも、
「難コースで世界の強豪と戦うことこそプロ冥利に尽きる」
そう思った選手がどれくらいいただろうか。
(宮崎絋一/ゴルフジャーナリスト)