著者のコラム一覧
友成那智スポーツライター

 1956年青森県生まれ。上智大卒。集英社入社後、今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流、米国での現地取材も頻繁に行いアメリカ野球やスポーツビジネスへの造詣を深める。集英社退社後は、各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」は日本人大リーガーにも愛読者が多い。

メディアによる球団経営の功罪…ウォルト・ディズニー社は「ディズニーランドもどき」で大失敗

公開日: 更新日:

 レッドソックスと球団評価額がさほど変わらぬエンゼルスには少なくとも4億ドル以上の値が付くと見る向きが多かったが、最終的に買収額がその半分にも満たなかったのは、外野の「ディズニーランドもどき」の撤去費用がネックになったからだ。こうしてエンゼルスを格安で購入したモレノ氏は「ディズニーランドもどき」を撤去しないまま球場を使い続けた。

 メディア企業でも、独創性のある起業家が球団を買収した場合はうまくいく。ケーブルテレビ会社を創業したターナーは映画の名作を買い集めて多くの契約者を得ていたが、スポーツファンを取り込むには球団経営に乗り出すしかないと考え、76年にアトランタ・ブレーブスを1200万ドル(同35億円)で買収。米国の深南部5州には球団が1つしかなく、どこへ行ってもブレーブスの忠実なファンばかりのため、テレビ放映権を独占的に持てば、ファンはターナーのケーブル局に加入して見るしかないと考えたのだ。

 結果はその狙い通りになり、ブレーブスは加入者増に貢献。それで得た巨額の利益をもとに世界初のニュース専門チャンネルCNNを設立し、放送業界の革命児となった。

 ターナーはブレーブスを強くすることにも注力したため、90年代には常勝軍団になり、07年にブレーブスを売却した際の価格は15億ドル(同1725億円)だった。31年の間に球団価値は125倍になっていたのだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    平野紫耀から杉咲花に「翠ジンソーダ」キャラクターわずか1年でバトンタッチのナゾ…平野ファン大混乱

  2. 2

    小芝風花は大河「べらぼう」とBS時代劇「金と銀2」“NHK掛け持ちW主演”で大丈夫なの?

  3. 3

    自公維の「高校無償化」に慶応女子高の保護者が動揺? なぜだ?

  4. 4

    中村芝翫「同棲愛人と破局宣言」で三田寛子の夫婦関係はどうなる? “梨園の妻”の揺れる心中

  5. 5

    佐々木朗希「通訳なし」で気になる英語力…《山本由伸より話せる説》浮上のまさか

  1. 6

    大阪万博の目玉 344億円の巨大木造リングはほぼフィンランド産…「日本の森林再生のため」の嘘っぱち

  2. 7

    吉沢亮のアサヒビールだけじゃない!業界別CM「絶対NG」のタレントたち…ケンカ、運転事故、不倫はご法度

  3. 8

    開成合格でも渋幕に入学する学生が…強力なライバル校出現で揺らぐ唯一無二の存在

  4. 9

    【福井県おおい町】名田庄の自然薯そばと「大飯温泉」

  5. 10

    確率2%の抽選で10万円で永住権を手にした在米邦人が語る 7億円「トランプ・ゴールドカード」の価値