著者のコラム一覧
友成那智スポーツライター

 1956年青森県生まれ。上智大卒。集英社入社後、今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流、米国での現地取材も頻繁に行いアメリカ野球やスポーツビジネスへの造詣を深める。集英社退社後は、各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」は日本人大リーガーにも愛読者が多い。

ダル所属のパドレスで骨肉の争いが勃発…オーナー家の内紛は球団売却の前兆

公開日: 更新日:

 オーナー夫妻の醜い離婚騒動が、名門球団の売却に発展したケースもある。

 ドジャース不動産業で財を成したフランク・マッコート氏が04年に買収に成功した。それと同時に、弁護士資格を持つ妻ジェイミー氏を球団のCEОに据え、ボディーガードまでつけた。しかし、この配慮は裏目に出て、妻がボディーガードと不倫関係に。それを知った同オーナーは妻をCEОから解任、それに妻が反発して離婚裁判に発展した。

 カリフォルニア州の州法では離婚が成立した場合、夫は妻に全資産の半分を分与しなくてはならないという規定がある。離婚が成立すると負債を差し引いても数億ドルを支払う羽目になる。その費用を他の資産を売却して充てることは不可能だった。その頃、同オーナーは多額の負債を抱えていたからだ。ドジャースタジアム周辺の土地を買い占めていたところ、リーマン・ショックで不動産価格が暴落してしまったのだ。

 それでも、同オーナーは球団売却を求められながらも抵抗し、選手の給与の支払いをFОⅩテレビからの借入金で賄っていたが、MLBが介入し球団の売却が完了するまで、カネの出し入れを厳重に監視されることになり、監督責任者に前駐日大使でレンジャーズの元社長でもあるトム・シーヒーが任命された。ドジャースはこの期間、大型補強がやりにくくなり、11年から3年連続でポストシーズンに進出できなかった。ほぼ同じ時期にパドレスでも、オーナー夫妻の離婚がもとで球団売却が行われた。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    べた褒めしたベッツが知らない、佐々木朗希"裏の顔”…自己中ぶりにロッテの先輩右腕がブチ切れの過去!

  2. 2

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    巨人・田中将大“魔改造”は道険しく…他球団スコアラー「明らかに出力不足」「ローテ入りのイメージなし」

  5. 5

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  1. 6

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  2. 7

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…

  3. 8

    佐々木朗希を徹底解剖する!掛け値なしの評価は? あまり知られていない私生活は?

  4. 9

    大阪・関西万博の前売り券が売れないのも当然か?「個人情報規約」の放置が異常すぎる

  5. 10

    僕に激昂した闘将・星野監督はトレーナー室のドアを蹴破らんばかりの勢いで入ってきて…