年俸調停の公聴会は勝敗クッキリ…球団からボロクソ貶され「犠牲」になったケースも
メジャーリーグでは基本的に3年目までの選手は最低年俸(今年度は76万ドル)と定められているが、4~6年目の選手は球団から提示された年俸額に不満な場合は、希望額を示して年俸調停を申請する権利を持つ(6年を過ぎるとFA権を持ち好きな球団と契約できる)。
年俸調停を申請する選手は例年100人を超え(昨年は203人)、9割以上が2月に始まる年俸調停の公聴会までに球団と合意に達する。実際に年俸調停の公聴会の場に持ち込まれるのは1割以下だ(昨年は17件)。
日本人選手では大谷翔平がエンゼルス時代の2021年に調停申請をした。球団の提示額250万ドルに対し、本人の希望額は330万ドルだったが、公聴会が開催される前に2年850万ドルで合意している。
年俸調停の特徴は、球団側の提示額か選手側の希望額のどちらかが採用されるため、必ず勝者と敗者が決まりドローがないことだ。しかも調停にあたる3人の調停委員は野球に精通している人物ではないケースが多いため球団は選手をボロクソにけなしたり、不利なデータをたくさん示して、おとしめるような主張をすることが多い。そのため、選手との間に大きなしこりが生じることが少なくない。