精巧な悪ふざけ本「正しい保健体育II」刊行で話題 みうらじゅん氏に聞く
全体を通してユーモアと毒に満ちた悪ふざけなのだが、実は「生きる真理」を突く部分もある。
「正論とか正義とか正しい性教育ではないんです。あくまで文化系男子に捧げる“男の全体会議”と思ってください。真面目な講演とか性のお悩み相談を依頼されても困っちゃいますから(笑い)。真面目は病気ですからね。その呪縛から逃れるために、頑張って不真面目な要素を取り入れたんです」
男に都合のいい「体育会系オスの俺様理論」ではなく、むしろ男の悲哀と諦観が主体でもある。
<介護してほしけりゃ“自分探し”より“自分なくし”を>
「女の人は成長も早いし、知識も多い。男はかないませんから。この本の根本は、いわばチンポやタマ袋の虚無感です。だって出ちゃってるんですよ、外側に。無防備に。どんなに威張っていてもブラ下げているんです。しかもだらしなく伸びて(笑い)。昔は“男根崇拝”とか言って頑張って持ち上げてきたんですよね、男はエライんだぞと。でも女の人にバレちゃったんです、そんなにエラくない、たいしたことないと。それで男たちは今あたふたしているんですよね……」