精巧な悪ふざけ本「正しい保健体育II」刊行で話題 みうらじゅん氏に聞く
中高生向け読本として、養老孟司や重松清ら、各界の著名人が執筆する「よりみちパン!セ」シリーズ。中でも、みうらじゅんの「正しい保健体育」は10万部突破のロングセラーだ。この続編「正しい保健体育II」が、さらに“精巧な悪ふざけ”を携えて刊行。しかも今回は「結婚編」だという。
前作の「正しい保健体育」は、いわば「童貞編」。正しい童貞の在り方を不真面目かつ丁寧に解説した、秀逸な教科書だった。
「童貞喪失ってツルンと挿入することじゃないんですよ。精神的に修行を積むのはクンニだと僕は思う。顔を近づけてなめてこそ童貞喪失なんです。だってチンポは滑稽でおかしみすらあるのに対して、女性器は完璧にホラーですから。それを愛していくにはどうしたらいいか。今作はそこも踏まえて正しい夫婦生活を指南しております(笑い)」
愛するということ、結婚する意味、性の不一致、セックスレスなど、もはや中高生ではなく、中高年の尽きない悩みにも、しれっと切り込んでいる。
「介護まで入っていますから。実際にこの本を買っているのも喜んでいるのも中高年でしたね(笑い)。でも誰も教えてくれないんですよ。嫁の実家に持っていく土産はカステラじゃダメだとか、女性に電化製品をプレゼントしちゃダメだとか。僕が失敗してきたこと満載。実はこうした結婚生活の日常の機微が一番重要なのに、真面目な保健体育の教科書にはそれが一切載っていませんからね」