「君に友だちはいらない」瀧本哲史
■エースに頼る企業は限界
「世の中を変えるにはチームを組んだ方がいい」と瀧本氏は言う。
ここでのチームとは、いわゆるスポ根的なチームワークとは違う。目的を果たすためにタイプの違う人間が少数集まること。
瀧本氏は、「私たちが時代をプチやぶるのに必要なのは、これまでの野球的な戦いから、サッカー的な戦いにシフトすることです」と、こう続ける。
「日本サッカーの本格的な歴史はまだ20年。1993年のJリーグ開幕から、“短期間でW杯出場”を目指して成功している。それはなぜか。むちゃなスケジュールを実現させるために、海外から大物助っ人選手などを呼び、マーケティング担当や経営陣に関しても業界外から人材を受け入れたからです。チームの構造も重要で、野球は全員が決められたポジションで決められた動きをする。その中に、絶対的なエースと4番が存在する。一方のサッカーは、ポジションはあるものの、状況にあわせ自由に動き回る。FWだけじゃなく、MF、GKもエースになりえます」