「睡眠のはなし」内山真著
長年臨床の現場に携わってきた睡眠学の第一人者が、睡眠を巡る疑問について解説する。
理想的な睡眠時間は8時間といわれているが、2000年以降に行われた研究では、睡眠時間が毎日4時間前後と短い人と同様に、8時間以上の長い睡眠を取っている人にも高血圧や糖尿病の確率が高いことが明らかになっているという。さらに、睡眠時間が6.5~7.5時間という人は、それより短い人や長い人と比べて6年後に生存している確率が高いことも分かったそうだ。
実際、健康的な人の生理的睡眠時間は一定の範囲内にあり、長時間布団にもぐりこんでいても眠りが浅くなり覚醒してしまう。7時間ほどの睡眠で“よく眠った”と実感できるのが、理想の睡眠のようだ。
(中央公論新社 760円)