「アラスカへ行きたい」石塚元太、井出幸亮著
最果ての地、アラスカに通い詰める写真家と編集者が、複眼的な視点からその魅力を読み解いたビジュアル・ガイドブック。井出氏によると、アラスカ旅には、トレイルウオークやキャンプ、氷河クルーズやフィッシング、オーロラ観賞など、雄大な大自然を満喫する「定番メニュー」の他に、膨大な「裏メニュー」があるという。
しかし、裏メニューはこちらからアクションを起こさなければ誰も教えてはくれない。本書では、親切すぎると思われる情報は省き、ひとつひとつのトピックスを掘り下げながら、それぞれの旅人が自分なりの裏メニューへとたどり着けるよう読者を導く。
まずは、アラスカの中でもとびきりの自然と多彩な動植物、そして先住民文化が揃った東南アラスカを紹介。カヤック愛好家あこがれのグレイシャーベイ国立公園を取り上げながら、先住民アリュート族のカヤック「バイダルカ」に魅せられ、自ら史上最大・最速の「スーパーバイダルカ」を製作してしまったカヌーイストのドラマに迫る。
かと思えば、10種類以上の民族に分かれるというアラスカの先住民たちの持つ多様な文化と、そのひとつとしてよく知られるトーテムポールを建てる際に行われる儀式「ポトラッチ」の意味を解説するなど文化論を展開。さらに当地では今、醸造ビールが流行していると、ブリュワリー巡りまで。