「特殊清掃 死体と向き合った男の20年の記録」特掃隊長著

公開日: 更新日:

 特殊清掃とは、人間の遺体をはじめ、動物の死骸や糞尿、山積ゴミなどによる特殊な汚染破損の処理。この仕事に携わって20年という著者が、凄惨な現場で出合ったさまざまなエピソードを紹介しながら、生と死について考える仕事エッセー。

 薬の飲み過ぎで死んだ男性の父親は、部屋の床の腐敗液が、息子の跡だと教えられ、それまでの冷静さを失い、急に泣き出したという。その他、車上暮らしの末に死んだ父親の愛車の処理を依頼してきた女性、恩人が孤独死した現場を自ら掃除する男性など。淡々とした筆致で死の後始末の現場を描きながら、「いまを大切に生きる」とはどういうことかを考える。

(ディスカヴァー・トゥエンティワン 1000円)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇