「認知症になった私が伝えたいこと」佐藤雅彦著

公開日: 更新日:

 元中学校教員の著者は、51歳で認知症と診断された。本書は、10年以上にわたり著者自身が書き留めてきたメモなどをもとに構成されており、認知症当事者のリアルな生活の様子を垣間見ることができる。

 朝目覚めて一番の不安は、その日に何をしていいのか思い出せないことだという。

 当初は手帳に書いていたが、それを捜そうとしても見つけられないことも増えてくる。そこで活用したのが、パソコンのスケジュール管理ソフト。曜日が分からなくなっても自動で表示されるので、重宝したという。毎日使う電子機器は、定時にアラームが鳴るようにすることで、捜す手間を省くことができたそうだ。

 認知症になっても、工夫次第で快適に暮らせるという希望を与えてくれる。

(大月書店 1600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭