「VTJ前夜の中井祐樹」増田俊也著
大宅壮一賞受賞作「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」、そして小説「七帝柔道記」と3部作をなすスポーツノンフィクション。
中井祐樹は、著者の北海道大学柔道部時代の後輩。大学から柔道を始め、北大伝統の寝技を身につけプロシューティングへと進んだ中井は、1995年、無差別級トーナメントのバーリ・トゥード・ジャパン・オープン95に出場し、片目を失明しながら、死闘を繰り広げる。表題作は、伝説となったその一戦と、そこに至るまでの中井の道のりを描く。その他、8年かけて古賀稔彦を破った柔道家・堀越英範の生きざまを描いた作品など、3作と対談を収録。
(イースト・プレス 1400円+税)