「十九世紀イギリス自転車事情」坂元正樹著
19世紀に英国で生まれた前輪が著しく大きい「オーディナリ自転車」についての研究書。
前輪をペダルでこいで進む自転車は1863年に発明され、67年のパリ万博で広まった。時同じく、オーディナリ自転車は、69年ごろ製作が始まり、ベアリングの採用などの技術革新で自転車の標準的な形態として普及。当時の人は趣味的楽しみとして自転車に乗り、娯楽・スポーツとして成長していった。この時代に既にレースや自転車旅行が盛んに行われたが、わずか十数年で自転車は現代の形へと変化していく。豊富な資料で当時の「自転車ブーム」を検証しながら、オーディナリ自転車の誕生と消滅の理由を探る。
(共和国3700円+税)