これが芸人の世界だ編
「誰も書けなかった『笑芸論』」高田文夫著
1970~80年代、テレビが最も勢いがあって面白かった時代を支えてきたのは、この人であると言っても過言ではない。
放送作家の著者が過去に遭遇してきた「笑いの天才」たちの素顔を余すところなくさらし、書名通り誰も言及できなかった秘話を暴く。
多くの芸人が聴き惚れて笑芸の道を目指したラジオ番組「オールナイトニッポン」の裏話やビートたけしの赤貧話など、「笑いの無法時代」を面白おかしくつづる。3章では著者自身の笑いに対する偏執的な愛を自伝的に解説。これが実は日本の笑芸の歴史そのものとなっているところが興味深い。
(講談社 1250円+税)