「断裂回廊」逢坂剛著
公安調査庁の三春が内偵中の新興宗教団体クルパジャ教団が、スポーツジムに乱入するという事件を起こす。教祖の野々宮は、ジムから怪電波が流れてきたので排除に行ったと供述。捜査で、犯行前に教団メンバーが食べた弁当の味噌汁に薬物が混入されていた可能性が高いことが分かる。そんな中、パチンコ屋を営む兼松が教団に資金提供しているとの情報が入り、三春が調査を始める。しかし、尾行中に兼松が何者かに刺され、三春は彼から「クズワに渡してくれ」とUSBメモリーを預かる。犯人を追った三春が現場に戻ると、兼松の姿は忽然と消えていた。
官僚たちの思惑が交錯する長編ミステリー。(徳間書店 1700円+税)