「マイ・フレンド 高田渡青春日記1966─1969」 高田渡、高田漣著
こうした日々は、1967年1月でいったん終わった。詩人で活動家でもあった父・豊が61歳で死去したからだ。このころから、ノートへの記述は間遠になるが、フォーク・シンガー高田渡の誕生はすぐそこまで迫っていた。楽器も弾けない、歌をつくったこともない青年が、どのようにしてフォーク・ミュージシャンになったのか。この日記は日本のフォーク黎明期の貴重な記録にもなっている。(河出書房新社 2500円+税)