映画を通して、オバマ政権下の現代米国社会の動向や文化の諸相を解説したアメリカ本。
奴隷制度を廃止し南北戦争による国家分裂の危機を回避した第16代大統領を描いたスティーブン・スピルバーグ監督の「リンカーン」では、奴隷制度廃止法案を通すために苦闘するリンカーンに、医療保険制度改革などの法案を逆風の中で通すオバマを重ねる。また、ドキュメンタリー「キャピタリズム」と「インサイド・ジョブ」を比較しながら、ウォール街と国家が結託して引き起こした金融危機のカラクリを解説するなど。政治、経済から宗教、セクシュアリティーなどさまざまなテーマからアメリカの素顔に迫る。(明石書店 2500円+税)