「家族という病」下重暁子氏

公開日: 更新日:

「家族は多様であっていいのに、“あるべき”病にかかると、自分たちさえよければという行動を取るようになります。家族は社会の縮図といわれますが、他人への無関心さは世間の目を気にする暮らし方が生み出した負の側面なのでしょうね」

 本書では著者が母の過大な愛情を重荷に感じていたこと、父との確執など、これまで語ることのなかった親子関係も明かしている。特に、さまざまな能力のあった母には自分らしく生きて欲しかった、と振り返る。

「家族って愛しくも愛しい関係だと思います。死に別れてから知っておきたかったと思っても遅いんです。家族のことを知りたいなら、まず一人一人が個性を取り戻さなきゃ。それは家族の各人が、かけがえのない人生を送るためにも必要不可欠です。世間の幸福像に惑わされず、また過度な期待や犠牲を持たず、それぞれの家族をやっていきたいですね。大体、家族に埋没した男なんて魅力ないですよ(笑い)」

 発売わずか3カ月で43万部の大ヒット。多くの人が家族に息苦しさを感じていたことの表れだろう。家族をテーマにした新社会論だ。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭