「禁忌-taboo-」浜田文人氏

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 女性専門の人材派遣会社SLNの調査員である星村真一は、築地署の保安係に所属していた元刑事。ある日、銀座のクラブに派遣した大西礼子というホステスが自殺を図った。クラブ側は精神を病んだ女性を派遣したとSLNに言いがかりをつけ、1000万円の損害賠償を要求。星村はこの訴えを取り下げさせるべく、自殺の背景を探り始める。

「今回はタイトルの通り、私自身もタブーに挑戦した作品となりました。例えば、銀座の夜の世界について、ホステスの契約金や売り上げなど金の流れを徹底取材して克明に描いたこともひとつ。もう銀座に飲みに行けないんじゃないかとドキドキしているところです(笑い)」

 礼子について調査を進めるうちに星村は、彼女の遺体から覚醒剤反応が出たことや、クラブの経営に関わる複雑な利害関係を突き止めていく。しかしそのさなか、星村が接触したホステスが射殺体となって発見される。

「この物語はあくまでもフィクションですが、ホステスの多くが心を病みつつあるのは紛れもない事実。その背景にあるのが、日本一の社交場である銀座ですら“金がすべて”で成果主義の体質になってしまったことです。昔は店を愛するオーナーやママがホステスを守るという義理や人情が生きていましたが、今では利益を追求する共同経営者やスポンサーが厳しいノルマを課し、リスクばかりをホステスが負わされています。夜の世界で稼ぐしかない女性たちは簡単に逃げ出すことができません。だからこそ、本作には、元の銀座の姿に戻って欲しいという思いも込めました」

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