「世界の美しい階段」エクスナレッジ編
普段は決して主役になることがない「階段」にスポットライトを当てた写真集。誰もが知る有名な建築物から、街中で見かけた民家のアプローチ、そして「何でこんなものがこんな所に」と思わせるような意外な場所まで、各国で見つけた美しい階段の数々を収録する。
ページを開いてまず目に飛び込んでくるのは、ポルトガルの都市ポルトにある1906年創業の老舗書店の階段だ。壁いっぱいの書棚に囲まれた空間の真ん中に見たこともないような形状の赤い階段が鎮座する。「天国への階段」と呼ばれるそれは、官能的ですらある。その色気のおかげか、同店は世界で最も美しい書店のひとつに数えられているという。
トルコのイスタンブールにある「ドルマバフチェ宮殿」の階段は、その豪華絢爛な建物にふさわしく、列柱のように並んだクリスタルガラスが手すりを支える。
その他、ウィーンの集合住宅「マジョリカハウス」の植物をモチーフにした透かし模様がまるでレース編みのリボンのような手すりのらせん階段をはじめ、踏み板に大理石を用いたメキシコ市の中央郵便局の重厚な階段、そしてロンドンのシティーホール(市庁舎)の近未来的なデザインのらせん階段など。