これは命懸けの異議申し立てだ
現在、日本の陸地面積の0・6%を占める沖縄県に在日米軍基地の74%が所在する。日本全体に占める沖縄における米軍基地の比率は、1952年にサンフランシスコ講和条約が発効した時点で10%、1972年の沖縄復帰の時点で50%に過ぎなかった。1950年代に日本国内で、反米軍基地闘争が激化した結果、岐阜県と山梨県に駐留していた海兵隊が沖縄の普天間基地に移動した。
当時、沖縄は米軍の施政権下にあり、日本国憲法が適用されないので米軍が力で基地を押しつけることができたからだ。
その後も本土では米軍基地が縮小されたが、沖縄の基地はそのまま維持された。日本の安全保障は、沖縄の米軍基地過重負担という差別の上に成り立っている現実に対し、松島氏は命懸けで異議を申し立てている。
★★★(選者・佐藤優)